『緋色の欠片』
□一度目の悲劇
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◎玉依姫
わかっていました。
この選択が間違いであることは。
それでも。
それでも、拒むことは出来なかった。
だから、私も同罪。
貴方がそのように詫びる必要は無いのです。
復讐の念に憑かれ、力を求めた貴方。
でも、その根底にあるのは深い愛情と切ない程の優しさで。
哀しい瞳で虚空を見つめる、その横顔を見ることが苦しくて。
こちらを向いて欲しい。笑って欲しい。
そう願って、過ちを犯したのは私自身。
私は玉依姫として、自分の役目を果たします。