『異能のトリオ』

□その4・終章
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●○●

 翌日。
 昼休みに最終的な打ち合わせをし、それぞれの役割を決めた。

 師走は今、自分の役割を果たすべく学校の裏手にある森の中を進んでいる。彼の役目は刺眼魚の縄張りである沼の場所を確認することだ。

 今頃、威社狐は自宅に帰って必要な物の準備を、咲人は学校に残って人がいなくなるのを待っているだろう。魔法陣の支度をするために。

 自分もきちんとやらなくては。

 そう思う反面、少しおかしいとも思う。

 今まで、独りで妖と渡り合える実力を身につけてからは、ずっと独りで戦ってきた。

 だからどうしても、人と協力してやるということに違和感がある。

 ましてや、チームを組む相手は一族の者ではなく、ほんの数日前に知り合った西洋の魔術師と、騒がしいマッドサイエンティストだ。

 一週間前には想像もしていなかった事態に、自分は大いに戸惑った。少なくとも最初はそうだった。しかし、今では次第にそれが自分の身に馴染んできているのが分かる。

 一族以外の人間に、これほど深く関わったことなどなかった。

 それゆえに、彼らとのやり取りは師走にとって色々と新鮮だった。


 
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