『異能のトリオ』
□その3
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手を引く気など微塵も無いと。
師走が深い溜め息をついた。
「言うと思った」
「俺だって役に立っただろ?」
師走が門を開く時、子鬼達を退けたのは威社狐だ。
「それはそうだが……」
「いいじゃないか。手伝ってもらえば。お前は異界に呑まれるという失敗をしているわけだしね」
「……そうですね」
譲葉に言われ、師走はしぶしぶ頷く。
自分が何を言っても姉と威社狐の意思は変えられないと彼は既に悟っていた。
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