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□わかるわけのない、
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わかるわけのない、
唐突だった。
驚いて見上げた先には彼女がいて、目を驚きに見張るその表情は珍しかった。
「っ陛下?」
「あーあ、渋谷くん。いくらなんでも覗き見だなんて女性の好感度下り坂になっちゃうよ〜?」
「ばっ!ちが、これは不可抗力だったんだよ!」
慌てて否定しても時遅し。村田はからかうようににやにやとおれを見下ろしている。何故見下ろされているのかというと、ヴォルフラムにわけのわからない(僕たちの関係を発展させせたいだの)ことを言われ追われた挙句、ドアに追い詰められそのドアを開けてひっくり返ってしまったからだ。
「……大丈夫ですか?」
それを知らないコンラッドは首を傾げながらおれに手を差し出す。軍服を着る最中だったらしく、シャツの切れ目から胸の谷間が見えて……ってどこ見てるんだおれは!断じて親父じゃない。
「ユーリ、どこを見てるんだ!」
ヴォルフが顔を真っ赤にさせておれの手を掴んで勢いよく引っ張りあげる。どうやらおれの視線が彼女の胸に行ってしまったことに気付いたようだ。彼女の剣だこだらけでもきれいな手は握れなかった。
「渋谷も、やっぱ男だねぇ」
楽しそうに村田がそう言うのを呆れながらおれは聞く。
おれだって、男なんだし。
(恋人がほしいだなんて、そりゃ思うさ)
それが誰かは知らないけどね。
End
UP…2011.3.11 地震で亡くなった方のご冥福をお祈りすると同時に、被害を受けた方々の生活が安定していくよう祈ります。早く復旧しますように。