其ノ他

□不思議の国のアリス
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ここは、不思議の国。
さぁ、お茶会をはじめましょう。



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「ここはどこ?」

―ここは不思議の国です。

真っ暗な部屋、いや、空間。
そこに「私」はいる。

そして。
アリスは問うた。
誰に対してか。
はたまた自分に対してなのか。

そして返事はかえってきた。

―ここは不思議の国です。
 あなたが望めば
 あなたの思い通りの世界になる。
 それが、「不思議の国」。

「私はさっきまで、姉と散歩をしていたの

はやくここから出して!」

―それは叶いません。
 ここに来ることは
 「あなた」が望んだことですから。

暗闇の奥底から
年老いた女性が、私の問いにこたえる。
厭、女性なのか男性なのかはわからなかった。
ただ、どこか、
女性の声に聞こえる。ただの勘違いなのかもしれない。




なんでこんなことになったんだろう。

アリスは自分に問いかけた。
ただ、いくら考えても答えは出ない。


―どうしました?

「わからない。なんにもわからないわ」


そしてしばらくの沈黙。

先に言葉を発したのは…

―アリス。
 あなたがするべきことがあります。

「何?なんなの?」

―「不思議の国」の城にたどり着いて下さい。

「お城?」

―そう。
 待っていますよ。


そういって、身体のどこかで感じていた気配が消えた。
自分ひとりになったのだ。

アリスは、どうしようもない気持ちでいっぱいだった。


「どうすればいいの…」




アリスはしぶしぶ
重い腰をあげました。








さぁ、お茶会をはじめましょう。
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