Doflamingo

□例えばね、愛を語るなら シーツの上で
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あぁ、起きなくては…

眠りから覚める時のこの感覚は実に快くない。


あぁ、起きてしまった…

目覚めてからのこの喪失感がまた実に不愉快。


だから寝るのは大好きだけれど、起きるのは本当に億劫…
出来るならずっと眠り続けていたい。そして願わくば王子様のキスで目覚めたいものだ…けれど、そんな事は有り得ない。




「ぅ、…ん……」




今日はいつにも増した寝苦しさに、否応無く意識が覚醒していく。




「…お、もい…」




そんなに布団をかけただろうか、と思いつつはねのける…




「腕…?」

「フフッ、おはよう名無しさんチャン」




ご近所にまで響き渡る、今世紀一番の悲鳴がこだました。




「な、なな…な、」




なんだ、なんなんだ、なにがおきてんの、なんで…ここにいるの?!

がばりと飛び起きて見れば、対して悠々とベッドに寝そべるその姿。




「フフフッ、そんなに喜んで貰えるとは光栄だ」




なんて、今日も学校で見るのと何ら変わらない、綺麗な三日月を描くその口。

そう、学校で見るのと何ら変わらない……




「なんで私の部屋にドフラミンゴさんがいるんですか…!」
 
「おれが名無しさんを愛してるから」

「答えになってない!」

「フフッ要は愛のチカラだ」

「…いい加減ちゃんと説明して下さい」




いつもと変わらぬ彼のマイウエイさに、朝から声を張り上げたのも加えてどっと疲れが込み上げ浅く息をはく。

すると、彼の指がそっと私の頬を撫ぜた。




「目覚めの悪い眠り姫の、お迎えだ」




無駄の無い、筋肉質な腕がスラリと伸び私の頬に重なる。


脳が彼に命令しているのか、彼が脳に命令しているのか…
私の頬を伝う指は緩く柔らかく、私を、虜にする。




「名無しさん」




甘い声に、甘い吐息。

いつしか重なっていた唇は、いつしか深く混ざりあっていて、クチュクチュという卑猥な音を響かせる。




「ふ、ぅ…ん…」




深さを変え、角度を変え、おさまりきらない唾液が頬を伝う。
もう自分では支えられない身体は彼の美しいまでの腕に抱きとめられていて、私は必死にその腕にすがりついている。




「名無しさん…」




心も脳もとろとろに溶かすその声、腕、くちづけ。
 
本当に食べられてしまうのではないかと言う程激しく絡まる舌。彼が甘噛みするものだから、はじけてしまわんばかりに腫れ上がり熱を持つ唇。
それでも彼は食いつくす様に舌を絡め、唇をむさぼる。




「っ…んぁ、…ふ…はぁ…」




まるで彼に突き上げられているのでは無いかと言う程に、あられもなく漏れる声。

自分の部屋である事を忘れたわけではないのに、押さえられない。酸素を求め、彼を求める声。


もうダメ。お願いもっと。

交錯する欲望は結局どちらも彼を欲していて、酸欠でとろとろの脳みそに、理性なんてものもトロトロになる。




「フフフッ!…最高にやらしい顔してるぜ?名無しさんチャン」




その濃厚さとは相容れない程可愛らしいリップ音を残し、やっと離れた唇。




「名無しさん、今日は何曜日だ?」

「きょ、う……?」




しかし、もうどろどろにとかされた頭じゃ思考はまわらず、ひたすらに酸素を求める。




「そう、今日。フフッ早く答えないと、今度はショーツがびしょ濡れになるまでキスするぞ?いや、もう…」




スルリとその手が下肢へ伸びる。




「や、ぁん…!どよ、び……土曜日…!」




突然ショーツの上から秘部をなぞられたその感覚に、隠しようもない声を上げてしまう。



 
「フフッ、正解だ。じゃあ、今日は何をする予定だった?」

「え…?」




予定……?今日は、土曜日…で……




「!、そうだ今日…、あぁん!!」




答えを探り当てたと同時に直接肌に感じる指先。
その指はあろう事かショーツの下を直に這う。




「んあぁ!っ…きょ、で、と…」

「なんだ?」

「きょう……ドフラミンゴさんと、デート、に…」




「正解」と言う低い囁きと共に、私のあられもない声が響く。




「フフ、なのに名無しさんはスヤスヤとベッドの中」

「…ごめ、なさ……っ…も、やめ…」




頭も、身体もとろとろに。

理性はトロけ、あわだつ背筋が言うのだ…




「フフッ、おしおきだ」




お願い、もっと。









例えばね、愛を語るなら シーツの上で




(名無しさん)
(ん…?)
(すっげぇ、トロットロ)
(――!!!)


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