気まぐれ女王様2

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「同じリングを持つ者同士の ガチンコ勝負〜!?」


綱吉の絶叫が夜空に響いた後、間もなくしてチェルベッロが現れた。どうやらこのリング争奪戦の審判をつとめるとの事だ。急に現れて怪しいことこの上なかったが、エリは今の所傍観している。門外顧問の異議が拒まれた後、リング戦の戦いが説明された。


「本来7種類のハーフボンゴレリングはボスの持つ1組と門外顧問の持つ1組の計2組存在し、跡継ぎの式典の際に9代目と門外顧問の2人が認めた7名に2組のリングを合体させた完全なるボンゴレリングの状態で継承されるものなのです」

「ですが、今回異例の事態となってしまいました。2人がふさわしいと考える7名が食い違いそれぞれが違う人物に一方だけを配ったのです。すなわち9代目が後継者と認めたXANXUS様率いる7名と家光氏が後継者と認めた綱吉氏率いる7名です」

「そこで、真にリングにふさわしいのはどちらなのか、命をかけて証明してもらいます」



そこまでチェルベッロが一気に説明を進めた所で、エリが声を上げる。


「ねぇ、闇のリングの事について正式な話が聞きたいんだけど」

「闇のリングは本来よりハーフボンゴレリングとしては存在していません。代々のボスが認めた者に継承されてきたのです。闇の守護者は1人だけ。故に闇の守護者には争奪という形ではなく、”闇の守護者の試練”とさせていただきます」





「――それは、歴代の闇の守護者の情報が残されていない事と関係があるのかな?」


「はい。代々ボスが認めた者である闇の守護者候補は、例外なく試練に失敗しています」


例外なく失敗。この言葉に辺りには緊張が走ったが当のエリはどこ吹く風。へぇ、とだけ言って笑う。ぞっとする程好戦的な笑みだった。


「万が一試練に失敗すればどうなるんだぁ?」

「特に何もありません。ただ試練中に命を落とした守護者候補も歴代にはいました」


要するに、エリが闇の守護者について調べたにも関わらず、何も成果をなさずにリングだけが存在しているのは、守護者候補が守護者になる際に失敗し、あるいは命を落としたからである。




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