宝物小説

□土星人様より 花←田
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なあ・・・今日の俺、変・・・

「田島?」
「あ、泉・・・」

昼休み、いつものように三橋と泉と三人で集まって食ってる。
いつもはどのグループよりも騒いでるのに・・・

「田島お前何かおかしいぞ?どうしたんだ?」
「田島君、大丈、夫?」

何か変なのは分かってる。でも・・・風邪とかそういうのじゃないんだよなー・・・

「何かさー。俺、変」
「それは知ってる」
「泉ヒデーぞ!・・・でも何か変ー・・・」

ホントどうしたんだろ・・・
何か今日違う事あったっけ?

・・・何もない。朝食もいっぱい食ったし、朝練も張り切ってしたし・・・授業もチンプンカンプンだった。
だけど、・・・何か忘れてるような・・・

「お前、風邪か何かか?」
「違うー。と思う・・・」

いつの間にか皆メシ食い終わっていた。
俺だけまだ全然手を着けてない状態だ。

「田島君・・・食欲、ない?」
「何かー・・・違うんだよな」

何が違うのだろうか?
それさえ分かればメシも食えるのに・・・ああ、腹減った。でも、箸が進まない。



「・・・お前、保健室行け」
「田島、君!俺も一緒に、行くから!」
「うー・・・じゃあ、そうする・・・」

別に体がダルイわけでも頭痛いわけでもないのに・・・
俺は成り行きで保健室に向かう事になった。

「田島、君・・・大丈夫?」
「大丈夫だって!・・・・・・」

いつも通りを振舞うが何か調子が出ない。
何だろ・・・何か大事な事忘れてるのかな?

保健室で一応体温も測ったけど平熱。とりあえず、5時限目だけベッドに横になることになった。

三橋は昼休みの最期まで付き添ってくれたけど、ありがとうを言い予鈴がなった時に教室に帰っていった。

「うー・・・なんなんだよ・・・」

横になると更に変。色々考えてしまう。

「・・・花井ー」

・・・花井?
無意識に口に出た名前は部活の主将の名。


花井が何で出てくるんだ?
・・・花井に、会いたいな。

何で会いたいのか分からないけど・・・でも、花井に会えば調子が戻るかもしれない。

時計を見るともう授業は始まっている。
・・・今はダメだな。花井に迷惑掛かる。

花井・・・花井・・・はない・・・ない・・・



キンコーンッ!

「うおっ!!」

チャイムの音に驚き声を上げる。

「ああ、俺、保健室だったんだ」

今の状況を整理する。
調子はさっきより元に戻ってたけど、でもやっぱり本調子ではない。

やっぱり、花井が関係してるのかな?



「・・・花井」
「何だ?」
「え?・・・」

顔を上げるとそこには花井の姿があった。
何で、ココに?

「何でココに居るんだ?花井も調子悪いのか?」
「お前の見舞いだ。三橋が七組であたふたしてたからな」
「三橋が、花井を・・・そっか。そっか!!花井ー!!」
「おい!!?抱き付くな!!ってか、調子はもういいのか?」

あれ?・・・そう言えば、もう全然だ!!

「花井スゲー!!」
「はあ!?」
「だって花井来たら治った!!」
「それは、お前・・・寝てたからだろ?」

はあっとため息を吐きながら俺をベッドに寝転がせながら花井が呟く。

「まあ・・・元に戻ってよかったよ」
「おう!!」
「じゃ、もう俺戻るけど、お前も元に戻ったんなら授業出ろよ?」
「俺まだダメー・・・次英語だから気分悪い」
「・・・俺はもう知らん」

呆れた顔で去っていく花井を見つめながら俺はある一つの答えにたどり着いた。

「俺・・・」

花井の事好きなのかも―――。





end
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