text「parallel」

□はらぺこてじなし
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「うわあああああああああああ!」
だらりと降りていた男の両腕が、突如、俺の身体を挟み、抱き寄せてきた!
「ちょ・・・!何!?止めろって!オイ!!」

ギリッ

首筋に痛みが走る。
男が俺に噛みついたのだ。

「イッテぇ!!!何すんだ!」

ギリギリギリッ

「やあああっ!」
俺の抗議なんか、全く無視。
それどころか、逃げようとしても、びくともしない。

「嫌だ!ああっ!!」

その間にも牙(?)はますます俺の首筋に深く食い込んでいく。
それは、最初は痛みだったが、そこはどんどん痺れてきて、ついでに身体の力まで抜けていく。

俺・・・ケンカには自信あったのに・・・。

全く動かない身体に少なからずショックを受けつつ、頭の隅っこでそんな事を考えてしまった。
ぎちりと噛みつかれているのに、不思議と痛くないせいだと思う。

吸血鬼に襲われるのって、こんな感じかなあ・・・。

意識がぼんやりとしてくる。

そして、ついに、噛みつかれたまま、俺は気を失った。
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