もしも!?

□若奥様は18歳!?
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『奥様の必需品』


7月。
仕官学校が夏休みに入り、理事長である私も、資金運用の為の投資活動以外は割とのんびりすごしている。
リビングのソファーで寛ぎながら、新聞を広げて・・・そこで、はたと気づいた。

シンちゃんとエッチしてない!

シンタローの妊娠が分かって、バタバタとプロポーズして。
お腹が目立つ前にと、大急ぎで結婚式を挙げて(シンちゃんは6月の花嫁だヨ!)、二人と、もうすぐ増える家族の為に新居の準備をして。
忙しすぎて、なんだかそういう気分じゃなく
て。

えー・・・。
もしかして、私達、いきなりセックスレス夫婦?
冗談じゃないヨ!ラブラブなのに!

と、その時。
「ただいま〜〜〜」
と、玄関からシンタローの声がした。
朝のタイムセールだとかで、玉子と砂糖をいそいそと買いに行っていたのだ。
シンちゃん、そこそこセレブなのに、貧乏性が抜けないんだよね。
そこが可愛いんだけど。

「おかえり」
出迎えた私はシンタローから藤カゴ(エコバッグだヨ!さすがだね、シンちゃん)を受け取り、テーブルに戦利品を並べる。
シンタローは手洗いとうがいを済ませると、そこへやってきた。
「ふふ。玉子2パック。何作ろうかな〜〜」
シンちゃんはウキウキしながら、冷蔵庫に片付けている。
「こういうのって、おひとり様1パックじゃないのかい?」
藤カゴの底には砂糖も2袋入っていた。
「2回並んだv」
嗚呼…なんてシッカリ者の奥さんなんだろう…、思わず感涙しそうになったが、私は頭を振って、正気を取り戻す。
そうだ、いつもこうやってごまかされるんだ。この後、ケーキ作り(私も料理は好きだからねえ)だなんだとマメに動いてしまって、気が付いたら、二人ともイイ感じに疲れて、そのまま仲良く寝てしまうんだ。
「ねえ、シンちゃん」
「何?あ、アンタってカスタードクリーム平気だったっけ?」
どうやら、新鮮な卵をたっぷり使いたくなったらしい。
「平気だよ。あまり甘くない方がいいけど。
でね、シンちゃん・・・」
「そっかー。じゃあ、今日は休みだから、シュークリーム作ろうか?オーブンの見張りよろし・・・」
「シンちゃん!」私は思わず声を荒げた。「シュークリームはいいから、私の話、聞いてくれるかな!」
シンタローは、一瞬、目を丸くした。ああ、ごめん、驚かせるつもりはなかったんだよ。
「……いや、俺が悪かった。ごめん。で、話ってナニ?」

あのね。

「エッチしよ」
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