text「escalation」
□darkness
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いたい・・・パパ・・・。
冷たい。痛い。ここ、どこ?
「おや、目が覚めたか?」
おじさん、誰?
どうして僕の手、動かないの?
「お前は人質だからな。暴れないように縛ってある」
ひとじちって何?
「お前の父親を呼ぶエサみたいなものさ」
えさ・・・。パパ、来るの?
「どうだろうなあ。お前が大切だったら来るだろうな。ワシはどっちでもいいが」
どっちでもいいって?
「来たら、お前の父親を殺す。来なかったら・・・お前の指を一本ずつ切って、父親の元に送る」
パパを殺す?
「ああ、殺すよ。お前の父親は殺されても仕方がない男だ」
?
「・・・お前、こんなトコにいて、怖くないのか?」
おじさん、パパと同じ色してるから。
「ハハ。これでも一族だからな。とはいえ、お前と同じ出来そこないみたいなものだが」
できそこないって?
「まともに力を使えないんだよ。お前もそうだろう?」
力って何?
「なんだ、お前は何にも知らないんだな。まあ、まだ小さいから仕方がないか」
おじさん。僕、おうちに帰りたい。
「無理だよ。お前は二度と家には帰れない」
嫌だ。
「悪いな、父親を恨め。あと30分で奴が動かなかったら、指を切る」
やだやだ!
「オイ、暴れんな!」
パパ、パパ!!
「イキナリ大声出すな!クソ、黙れ!」
ンぐっ!んんんっ!!
痛いっ!苦しい!
パパ!
助けて!!!