小説

□Space Travel
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 今よりも宇宙の調査が進んだ時代。

 宇宙船も高性能になり一般市民にも手に入りやすくなった頃。

 スリルと驚きを求めて宇宙を飛び回る少女がいた。

 ケルン・ティア。

 地球で生まれ育った彼女は、人工知能の相棒と共に、今日も宇宙を旅している。







 宇宙船の整備のために寄った星の住人にお世話になって一ヶ月。当初の予定通り、旅立ちの日。

 食事のあとも他愛ない話をして時間を潰して、その後、出発の支度をするために木製の階段を上って、少女・ティアのために割り当てられた、少し広めの部屋へと向かう。 

 この家には木で作られている物が数多く、あたたかい雰囲気をかもし出している。

 彼女が使わせてもらっている部屋の机、クローゼット、ベッドに至るまで、すべて木製だ。

 もともと一ヶ月ぐらいしか使っていない部屋だ。さほど乱雑ではない中で、必要最低限と思われる物だけを小さい鞄に詰め込んでいく。

 服は、階下に降りるときに着替えていたから今更着替える必要はない。今は黒っぽいワンピースを着ている。暗い色は彼女のお気に入りだ。

「カタルさーん! これから時間ありますか?」

 ティアは扉を開けて、この家の主に呼びかける。

「あぁ、買い物に行くんだろ?」

 この地域には一日中やっているデパート並の店がある。

 少しもしないうちに、ティアが小さな鞄を持って降りてきた。

「お待たせしました。行きましょう」
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