小説
□Endless Magic
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二人の男が対峙している。
一人は少年たちを束ねる長。
もう一人は、世界を自分の好きなように支配しようと目論んでいる男。
その男の背中には、黒いモヤモヤしたものが漂っている。
「お前のような奴に、この世界を渡してたまるか…!!」
この世界が悪意に呑み込まれそうな時に転生し、それを阻止するために戦うのが少年たちの運命。
負ければ世界は悪意に呑まれ、破滅の道をたどるだろう。
故に、負けることは許されない。
無事に勝てれば、その時代を普通に生き、命が尽きると、世界に悪意を持った者たちが現れるまで、その魂はまた長い眠りにつく。
少年たちはそれを、疑問に思うことなく繰り返してきた。
そして今、この時代の戦いに決着がつこうとしていた。
『おまえらは早くこの場から離れろ!!』
「長っ…、しかしっ…!!」
長の声が直接、少年の頭の中に流れ込んでくる。
『これ以上、奴らに好き勝手させるわけにはいかない。今ここで止めないと、世界はいずれ悪意に呑まれる…』
味方は皆傷だらけで、戦える者はほとんどいない。
「でしたら我らも…!!」
『駄目だ…! 早く行けっ…!!』
長と呼ばれた少年の全身が光り始めた。
その光は次第に膨れ上がり、対峙していた相手をも呑み込んで…。
『来世でまた会おう…!』
「長ぁ−−−−−っ!!」
光が収まった跡には二人の男の姿は、跡形もなく消えていた…。
そして数百年後…。
世界に新たな悪意が生まれようとしていた。。
そして、それを阻止するために戦う若者たちも、長い眠りから醒めようとしていた…。