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□ハロウィンの日の、ある会話
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「トリックオアトリート!!」

「…何を言ってるんだ?ボーレ。
というかその変な格好は…」

「えっ、アイク…もしかしてハロウィンを知らないのか?」

「あぁ」

「おいおい…。あのな、ハロウィンってのは…子供がお化けとかモンスターとかの仮装をして、色んな人の家にお菓子を貰いに行くイベントだ。
『トリックオアトリート!』お菓子をくれないと悪戯するぞ!ってな」

「何だそれ…たち悪いな。というか、ボーレ…いい年してそんな事をしているのか」

「…うるせぇ!こういうイベントになると、どんな大人もみんな子供になるもんなんだよ!!
…まあいい!とにかく、お菓子をよこせ!!」

「いやだ」

「んなっ!?」

「ボーレなんかにやるお菓子はない」

「おいおい!そりゃねぇだろ!?トリックオアトリートだぞ?
お菓子くれないと悪戯しちゃうんだぞ!?」

「(しつこいな)…分かったよ。これをやるから帰れ」

「おっしゃ!サンキューな……
って、何じゃこりゃあぁああぁぁあああぁぁ!?」

「…何って、“肉ガム”以外の何物でもないだろう」

「肉ガムって…そんなん食えるかっ!!
腹壊すわ!!」

「…ボーレ。寄ってたかってケチつけるとは…いい度胸してるな」

「ひ…っ!わ…分かったよ!!
コノヤロー、覚えとけよなあぁああ!!」

ボーレ、アイクの天幕から走り去る。

「…何だったんだ。」

「…Trick or treat」

「うわっ!?そ、ソーンバルケ!
いつからそこにいたんだ!?」

「さっきからお前の横にいたぞ」

「…気付かなかった」

「さぁ、アイク…私にお菓子を渡すんだ」

「…ソーンバルケ、まさかお前も、“はろうぃん”とやらに参加しているのか…?」

「あぁ、勿論だ。
見ろ、こんなに貰ったんだ。
酒のつまみが無くなって困っていたのだが、丁度良かった」

「うぉ…随分と持ってるな。
というか、酒のつまみになるのか?それ」

「あぁ、結構いけるぞ。
お前も参加したらどうだ?色々貰えるから、損はしないとは思うが?」

「ぬぅん…」

「…では、この“肉ガム”とやらは頂いていこうか」

「あっ!おま…っ!!
って、もう行っちまった…。いつもいきなり現れると思うと、すぐにいなくなるからな…。
……はろうぃん、か…。俺も参加してみようかな」

それからアイクが大量のお菓子を持って帰ってきたのは数時間後のこと。
 

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