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□VS茶色い悪魔
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朝目覚めると、ベッドの下に…ヤツがいた。
鈍く光り、茶色い色をした…
ゴキブリという名の、悪魔が。
「う…うわああああああああああ!!」
キルロイは、ベッドの上で毛布にくるまり、ガクガクと震えた。
悪魔が、部屋中をカサカサと這いまわっているのだ。
カサカサカサ…
キルロイは悪魔が嫌いだった。
というか、虫自体が苦手だった。
どうしよう…と、キルロイは考えた。
今ここでやらなければ悪魔を確実に見失い、見つかるまでいつどこからヤツが飛び出してくるかとおびえて過ごさなければならない。
そんなの嫌だ。絶対に。
キルロイは覚悟を決め、壁に立てかけてあったホウキを、ベッドの端からうんと手を伸ばして、手に取った。
戦わなければならない。
悪魔と、戦うのだ。
殺生はいけないと分かっているけど、仕方ないんだ、これは。
ホウキをギュッと握りしめた。
そして、悪魔に狙いを定めて…
「とりゃああああああああああああ!!!」
バシイィンッ!!!
ホウキを叩きつけた。
やったか!!?
…と思ったのも束の間、ホウキの下から悪魔が出てきた。
…失敗だった。
悪魔はカサカサと逃げていく。
逃がしてはならない。
「ああああぁああぁぁああああぁあ!!!」
キルロイはバシバシと悪魔を狙って、ひたすらホウキを叩いていく。
何発も外してしまったが、ついに…壁に追い詰めた。
「フフフフフフフ…」
怪しい笑みを浮かべながら、キルロイは最後の一撃を…―――――
バシイィイイイイィィンッ!!!!
悪魔に叩きこんだ。
そっとホウキを上げてみる。
…そこには、ペチャンコに潰れた悪魔の姿があった。
…やった!!
チャチャチャチャーン♪
キルロイは死闘?のすえ、悪魔に勝利した!!
キルロイは51の経験値を手に入れた!!
…その後、キルロイは悪魔をホウキでチリトリに乗っけて、窓から投げた。
埋めるようなことはしない。
こうしておけば、自然に土に還るのだから。
「…ふぅ」
キルロイはため息を吐いた。
「…さあ、一日の始まりだ」