コインロッカー☆ベイビー

□ぷろろーぐ
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「ここか」
「へい、鍵の番号は?」
「36や」
「えーと……あ、ここですね」

ところ変わってここは蒼天堀のコインロッカー前。
ガタイのいい金髪男とほっそいキツネ目のオッサンがなにやらもぞもぞ動いているので、周りはロッカーを避けて通る。
それはもうあからさまに避ける避ける。

「開けるで」

いつもより楽しそうな声色の龍司。
鍵を差しひねると、カチッという音がして、扉は難なく開いた。
金属製の扉の先にあったのは……。

「……ほ乳瓶?」
「……オムツもありますな」
アホらし、とさぞつまらなさそうに息を吐いた。
桐生が神室町の云々という話があったので忘れていたが、これはコインロッカー。
誰かが一時的に荷物を保管する場所。
めぼしいものが入っていることの方が珍しいのだ。

「あ、龍司はん」

しかし、林は改めて千石の事務所に向かおうとする龍司を引き止める。

「なんや」
「鍵、ですわ」
「あぁ?」
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