コインロッカー☆ベイビー
□ぷろろーぐ
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新星町の道の真ん中で、キラリと光る何かを見つけた。
「何やあれ」
近付いてみると、何かの鍵であることが分かった。
「何の鍵やこれ」
何とはなしに呟いたのだが、隣にいた林がそれを覗き込み、返答する。
「ああ、そら蒼天堀のコインロッカーの鍵ですわ」
「んなもんがなんでこないなとこにあんねん」
「誰か落としたんちゃいます?せやけど桐生はんの話では、神室町でもよう落ちてはるみたいですわ。なんや神室町のロッカー、全部桐生はんが落ちてる鍵見付けて開けたとか」
「……ロッカー使てる奴はみんなアホなんか?」
呆れたように溜め息を吐くと、踵を返して駅に向かった。
「龍司はん、どちらへ?」
「蒼天堀なんやろ、ロッカーがあるんは。中身見てみよやないか」
当たり前のように言ったが、林はうろたえる。
「せやけどこれから千石はんと話が……」
「悪趣味のオッサンとの話なんざ後でエエねん。中身気になるやろが」
「…………へい」
林と龍司は蒼天堀行きの電車に乗った。
そのころの千石さん
「アホボンおっそいのー。虎子がガキ産んだ言うたら見たいー言うてきたんはあっちやっちゅーに。」
「がおーぐるるる」
「おうおう、お前もアホボンにガキ見せたかったんやなー可哀想にのーもうちょい待ったろかのー」
「ごろごろごろごろ」