コインロッカー☆ベイビー

□ほんぺん!
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(嬢ちゃん来とったんか)
(うん、二階堂さん久しぶり。こんにちは)
(こんにちは。桐生はんは一緒ちゃうんか?)
(なんか用事があるんだって)
(ほう。まあ兄貴ももう少しせんと帰って来ぇへんから丁度エエかもしれんのう)
(龍司さんもおでかけしてるの?)
(いや、兄貴は今おやっさんとたこ焼いとる)

二階堂の発言に遥の顔がぱっと輝きます。
それもそのはず、遥は龍司のたこ焼きの大ファンなのです。
まだまだワシは半人前や、と龍司は言っているのですが、既に固定客が何人もいるのです。
遥はその内の1人ですので、わくわくせずにはいられません。
早く龍司(の焼いたたこ焼き)が帰ってこないかなーと思いながらふと二階堂の手元を見ると、指先が紫色になっていることに気付きました。

(二階堂さん、お荷物私も持つよ)
(ん?ああ、気にせんでエエで。嬢ちゃんには重いやろ)
(でも重そうだし両手塞がってるでしょ?)
(あー、ほんなら入り口にも荷物あんねん。それ持ってもろてもエエか?)
(はーい)

開けっ放しになっていた入り口の脇には、二階堂が言っていた通り荷物がありました。
しかしその荷物というのが。

(……パン〇ース……?)

商品名と一緒に赤ちゃんの写真が載っているそれが、バーコード部にドラッグストアのテープが貼られただけの状態で鎮座していました。
頭の中にも上にもハテナマークが沢山出没しましたが、素直で良い子な遥はそれを持ち、二階堂の後を追います。
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