夢想恋華

□悪夢の目覚め
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「こんな所で何してるの?」




屋上の扉が開き、雲雀が姿を現した。

その手にはトンファーが握られ、真っ直ぐに風を睨みつける。




「ひ…ばり、」

「そんなに睨まなくても何もしてませんよ」



大人の余裕を見せる風の態度に、雲雀は更に不機嫌そうに顔を歪める。

そんな雲雀を見て風はクスッと笑みを見せ、獄寺に耳打ちをした。




「頑張って下さいね」

「…風……」



そう言って微笑むと、風は颯爽と屋上から姿を消した。


まだ出会って間もないが、風って凄くいいやつなのかもしれない。

本当に風が、アイツだったらよかったのにと思えるくらい…。






「僕のことは避けるくせに、彼とは会ってるんだ?」

「え…?」



予想外の雲雀の言葉に、俺は一瞬返す言葉を失った。

不機嫌そうなままトンファーを下ろす雲雀は、呼び出しに応じなかった俺に制裁を加える為に来たんじゃないということが分かる。

さっきまでトンファーを向けていたのは俺じゃなくて、風…。




(もしかして……妬いてくれてたのか?)



もしそうなら、凄く嬉しいのに…。


そう思ってしまっているあたり、多分もう引き返せない。






*悪夢の目覚め*


 
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