夢想恋華
□プロローグ
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子供の頃からよく見る夢
その夢の中には、必ず同じ人がいた
漆黒の髪に、黒曜石のように綺麗な瞳
その男は、いつだって俺に優しく笑いかけてくれる
その笑顔が、好きだった
俺に触れる、その優しい指先が愛おしかった
気がつけば俺は、単なる夢の登場人物に恋をしていた
こんな、不毛過ぎる恋
相手が本当に存在するかもわからない
しかも、俺もアイツも…男だし
でも、俺は信じてるんだ
この広い世界のどこかに、アイツはいる
俺と出会うのを、待っている
こんなこと、他人に言ったら笑われるかもしれない
それでも、俺は信じてる
だって、夢の中のアイツが言うんだ
"必ず、君に逢いに行くから"
Next...
だから俺は信じてる…――