企画小説

□恋人
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※骸さんが若干ヘタレです。
※オリキャラの女の子が2人いますが名前はない(笑)

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例えどんな闇の世界を生きようと、僕だって男です。


好きな人と両想いになれたら、恋人らしいことしたいと思ったっていいじゃないですか。





「隼人君っ、僕とデートして下さい!!!」

「…………は?」









-恋人-













「は、隼人君?いい加減に機嫌直して下さい…」

「別に怒ってねぇし」



怒ってる。間違いなく怒っている。

だってさっきから全然僕を見てくれない。



どうしてこうなったのか…話は数時間前に遡る。



なんとか隼人君との初デートを取り付ける事の出来た僕は、待ち合わせの駅前に2時間も早くついてしまった。

我ながら浮かれすぎだという自覚はあるが、早起きは三文の徳とも言うし、隼人君を待っている時間でさえ僕にとっては幸せなひとときだった。


しかし、早起きは三文の徳なんて嘘っぱちだとこの身を持って体験してしまった。



隼人君を待っている2時間の間に女性に逆ナンされることなんと18人。

18なんて、なんて不吉な数字なんでしょう。どこぞの風紀委員長を思い出して実に腹だだしいです。



しかし、相手は女性で、しかも一般人。

僕だってイタリア紳士の端くれ、無下な扱いも出来ずに適当に愛想を振り撒いていた…。



それが、いけなかったのだ。


その現場を隼人君に見られ、機嫌を損なわせてしまった。




(ヤキモチ妬いて下さるのは嬉しいんですが…)




このままではせっかくの初デートが台なしになってしまう。

なんとかしなくては…!





「あ、あの隼人く…」

「すみませーん、今暇ですか?」



僕の言葉を遮るように話し掛けてきたのは、2人の女性。

恐らく高校生だろう。



「二人ともカッコイイねー。よかったら一緒にカラオケ行かない?」

「ちょうどこっちも二人だしね!」




また逆ナンですか!?

あ、でも18人という不吉な数字は脱出した。それは感謝しましょう。




「あの、すみませんが僕達は…」

「いいぜ?ちょうど暇してたし」

「本当!?やったー!!」

「えっ、ちょっ、隼人君!?」



今デート中ですよ!?しかも初デートなんですよ!?

それなのにどうしてこんな女達と行動を共にしなきゃいけないんですか!?




「なんだよ骸。行かないなら俺達3人で行ってくるぜ?」

「ご一緒させて頂きます!!!」



ニヤリと笑うその表情はまるで悪魔だ。
そんな隼人君にまでドキッとしてしまう僕は末期でしょうか?




こうして僕達の初デートは、最悪な幕開けをした…。



 
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