企画小説

□僕の知らない君の音
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※『 』内はイタリア語です
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(隼人が、居ない…)



応接室から校庭を眺めていた雲雀が眉を潜めた。

雲雀の視線の先には、2人の草食動物。
雲雀の恋人である獄寺隼人と常に共にいる沢田綱吉と山本武だ。


恐らく体育の授業中である二人の側には、いつもいるはずの彼の姿がない。





「サボるなら応接室に来いって言ったのに…」



日本のジメジメした夏が苦手だと言っていた獄寺が、屋上やクーラーの効いてない教室でサボるなんて考えにくい。

こんな時の獄寺のサボり場所は決まって応接室か、あるいは……保健室。


しかも、それが保健室である可能性の方が高い……というより、雲雀が前もって誘っておかない限りは100%保健室だ。

恐らく自らの意思で恋人の元に行く事にテレがあるのだろうとは分かっている。


しかし、雲雀にとっては自分よりも昔なじみだという保健医を頼っているかのようで面白くないのも事実だった。




「迎えに行くか、」




そう呟いて、雲雀は応接室を後にした。

迎えに行った時の恋人のテレたような表情を思い浮かべながら…―――






僕の知らない君の音


 
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