初恋迷宮
□初デート
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*5月5日*
「なんで君が此処にいるの…?」
「クフフ。隼人君に誘われたからに決まってるでしょう?」
朝、寄りたい所があるから駅で待ち合わせしようと言った獄寺に、なんだかデートみたいだと浮かれた気持ちで待ち合わせ場所に来ると、見慣れた…そして出来れば視界にも入れたくない特徴的な髪型がそこにはあった。
「僕の邪魔をするつもりなら今此処で咬み殺すよ」
「そう目くじら立てないで下さい。隼人君は純粋に僕達に仲良くして貰いたかっただけみたいですから」
「君と仲良くなんて御免だよ」
「気が合いますね、僕もです」
ピシッと僕達の間に火花が飛び交う。
本当にコイツ……どれだけ僕の邪魔をすれば気が済むんだ…!
「ふぅ。いい加減に殺気を抑えて下さい。周りの人が怖がってますよ」
「僕には関係ない」
「一応、今日が何の日かくらい知ってます。雲雀君が絶対に喜ぶ誕生日プレゼントも用意したんですから」
「は…?」
コイツ…どうして僕の誕生日を…。
それに、六道が僕にプレゼント?裏があるとしか思えない。
「何を用意したって言うのさ?」
「クフフ。それは隼人君が来てからのお楽しみです」
「獄寺が?そういえば、獄寺は…」
「今頃、クロームと一緒だと思いますよ?」
あのパイナップルモドキも一緒なのか。
まぁ、六道と3人でと言うよりかは、彼女も加えて4人の方がマシだが………どうして僕が群れなきゃならない。
これは何の嫌がらせだ。
「おや。噂をすれば…」
六道が手を挙げて視線を移す。僕もつられて視線を向ければ、そこには私服姿のクローム髑髏と、その後ろに隠れるかのように輝く銀色
それを見た瞬間、僕は言葉を失った
「ど、髑髏…!やっぱりこの格好恥ずかしいって!」
「大丈夫。よく似合ってる」
「でも、足スースーするし…動きづらいし!」
道行く人が振り返る。彼女の銀髪に…というのもあるが、そこらのモデルよりも美しい容姿。
そして、普段同室の僕でも見ることのない白い生足が惜しげもなく出されていた。
そう、獄寺は女の格好をしていたのだ。
「隼人君、よくお似合いですよ」
「うっ……骸が女の格好しろなんて言うから!!めちゃくちゃ恥ずかしいんだからな!!!」
そこで僕は理解した。六道が言っていたプレゼントとはこのことか…。
確かに、これは嬉しいかもしれない。
六道も単に自分が見たかっただけだろうから、感謝なんかしてやらないが。
「な、なんだよ雲雀…。あんまジロジロ見んな!!」
「え…」
「似合ってないなら似合ってないって、はっきり言えよな。自分が1番わかってるんだから…」
「別に、似合ってないなんて言ってない。ちょっと予想外で驚いてただけだよ」
寧ろ、凄く似合ってる。
六道に言われて、というのは気にくわないが
「さぁ、立ち話もなんですし、どこか入りましょう。ちょうどお昼時ですしね」
「おぉ!」