捧げ物
□Love Chronicle
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10年間、僕は君だけを見つめていた
人はそれを長いと言うかもしれないが、僕にとっては君の全てを知る事も出来ない、短い期間
この気持ちを自覚した頃は、積極的にアプローチもした
君に近づきたくて
君のその綺麗な瞳に、写りたくて
最初こそ警戒心剥き出しだった彼も、次第に僕に笑顔を見せてくれるようになった
それは凄く嬉しい
でも、同時に僕はそれまでのような積極的なアプローチが出来なくなった
怖くなって、しまったのだ
この気持ちを彼に伝えて、拒絶されることが
彼との距離が、開いてしまうことが……無性に怖くなってしまった
人間とは、どうしてこうも貪欲なのだろう
1つ手に入れたら、全部欲しくなる
彼の全てが欲しい
でも、今のこの関係を壊したくない
そんな想いを10年抱えていた
―――獄寺、君が好きだよ
そう心で、何度も呟きながら
-Love Chronicle-