短編
□愛を、君に
1ページ/7ページ
「はぁ…」
「どうかしたんですか?10代目?」
暖冬だった関東にもついに初雪が降り、寒さを増した2月上旬
登校途中に10代目が小さなため息をはいた
「それがさぁ…もうすぐバレンタインじゃない?ビアンキが張り切っちゃってさぁ…昨日も試作品を食べさせられそうになって…」
「ははっ、大変だな〜」
「す、すみません…あんな姉で…」
「獄寺君が謝ることじゃないよ。ことビアンキに関しては1番苦労してるのは獄寺君なわけだし…。
獄寺君に今のところ被害がないのが不幸中の幸いだね」
「じゅ、10代目ぇ…!」
姉貴のせいで10代目が悩んでいらっしゃるのに、何も出来ないなんて………俺は右腕失格だ!
「でもな…せめてビアンキからじゃなくて京子ちゃんからなら、ポイズンだって嬉しいんだけどな…」
「ポイズンでも、ですか?」
「うん。やっぱり好きな子から貰うチョコは特別じゃない?」
「俺も俺も!ポイズンだって獄寺からならスゲー嬉しいぜ!!!」
「………」
「獄寺…?」
「………」
「せめてシカトはしないで欲しいのな;;」
「いや、本当に聞こえてないんだと思うよ…」
好きな人から貰うチョコは特別…
日本人って、みんなそうなんだろうか?
なら、雲雀も…―――
*愛を、君に*