一人で歩くいつもの帰り道。
夏とは違う虫の声がする。
秋も深まる何とやら?まあ、そこはいいや。
日が落ちるのも早くなって、半袖のシャツだと朝少し寒かった。明日からは長袖に変えよう。

駅のホームまでの道、秋祭りのポスターが目について立ち止まった。

「へー、再来週秋祭りか…鉄平と一緒に行きた…」
ここまで思ってやっと気付く。
私の隣にはもう鉄平はいなくて、これから先も、ずっといない。
私たちは、終わったのだ。ただそれだけの話。
軽くため息をついてまた歩き出す。
ああ、ここ最近ずっとこんな感じだ。
「バカだな、本当」
一人呟いても、そうだな と笑ってくれるアイツはもういない。

本当にバカだ、私。
今更存在の大きさを思い知る。

電車のドアが開く。沢山の人が降りていく中に制服をきたカップルを見つけた。
楽しそうに笑う二人をみると、なんだか、泣きそうになって隠すように笑った。




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