小
□終着点まで
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終着点はそれぞれにある。
「軍の全権を手に入れる」
「生身の身体を取り戻す」
それまで互いに互いを利用するのだと。
利用しながら利用されるのだと。
それは暗黙の了解。
どちらもすでにそれだけの関係ではないと知りながら。
相手が終着点についた時、切り捨てられるのを恐れるがために。
その時に自分が傷つくのを防ぐために。
お互いさまだと。
そう自分に言いきかせて。
自分が進む道と相手が進む道が、重ならないのはわかっている。
たまたま同じ時期に同じ場所にいるだけにすぎないと知っている。
本当はずっとこのまま一緒に歩いて行きたいと。
そう思いながら。
この人と共に生きたいと。
そう願いながらも。
相手の負担になりたくないと。
そう強がって。
本当は。
負荷として切り捨てられることが怖いだけ。
そんな自分の感情に向き合えない。
臆病者が二人。