短編

□邂逅─street─
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この短編は"Good-luck and Good-bye"という古い曲がモチーフとなっております。
歌詞のとおりに進むストーリーと、それとは全く逆のストーリーの二通りの結末をご用意しております。
お好きな方をクリックしてお進みください。
(もちろん両方お楽しみいただけます)
どちらか一方でも気に入っていただけるといいのですが。




邂逅─street─




 国をその根本から揺るがすほどの騒乱から早数年。
 弟の身体を取り戻し故郷に隠棲する元国家錬金術師は田舎では手に入りにくい書籍や情報を求めて久方ぶりにイーストシティを訪れた。
 一方、いまや軍の頂点に一番近いといわれる男は視察で東方司令部を訪れ、わずかな自由時間を無駄にするまいとコートとマフラーを手に懐かしい街に出た。

 そうしてばったりと出会うのは運命のいたずらか、はたまた単なる偶然か。

「なんできみがここにいるのかな」
 この街の真ん中でこんな風に向き合うのはいったい何年ぶりだろうか。
「それはこっちの台詞だろ」
 いつ雨が──いや、雪が降り出してもおかしくない灰色の雲が重く垂れ込める冬のさなか、金色の髪に見え隠れする頬に朱がさすのは、寒さのせいか。
「私は仕事で来たんだがね、ちょっと時間ができたものだから」
 つくり笑いめいた笑顔はその昔に見慣れたもの。
「まだ治んねーのかよ、そのサボり癖」
 言葉と共に浮かんだ笑顔は昔のまま。
「ひどいな、自由時間くらいあるのだよ」
 社交辞令のような挨拶など二人には似合わない。
「なんだね、その眼は」
「べっつにー」
 探るような視線と会話、それこそが二人の間の全てで、それは数年のブランクがあっても変わらない。
 ただ、語られる内容と互いの関係が以前と違うだけ。


Good luck and Good-by
└再び別れていく二人

Close eyes and kiss you
└手をとりあう二人


















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