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□ロイヤル・クリスマス!
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「じゃあ、キョーコたちも……」

「もちろんいます。驚きましたか、蓮さん?」

 未だに茫然自失から抜け出しきれない心境のまま、それでも求めるのは家族の姿。
 視線を巡らせると、意外なほど近くにキョーコがいた。
 昼間のパーティに相応しい、露出度を抑え目の可愛らしさがあるワンピースに身を包んでいる。

「じゃあ、電話に出なかったのも、」

「こういうことだ、親父」

 キョーコとはまた別の方向、けれどやはり意外なほど近くから聞こえたのは息子の声。
 自分によく似たそれに振り向くと、

「至希……ことぶき」

 兄である至希の腕に抱かれた愛娘が、その小さな小さな手に一生懸命に握っている札。
 安全性を考慮したのだろう、軽量なプラスチックで角は丸みを帯びさせているために迫力など欠片もない札。

 そこには、

『ドッキリ大成功!!』

 と、書いてあった。

「……なるほど。社さんも知ってたんですね?」

 道理で、キョーコたちと連絡がつかなくても取り乱さなかったし、共演女優が遅刻してきてスケジュールが狂ってもそれほど慌てなかったし、蓮がイライラしていてもスタッフに状況の確認に行ったりしなかったはずだ。

「まあな」

「……バラエティに出過ぎでしたかね」

 まさか自分が、こんなものに引っ掛けられるとは。

 ちょっとばかり、これからの仕事内容を考えようと決意して。

 とりあえず、苦笑い一つで気分を変えて。

 グラスを手に持ち、やはり同じようにグラスを持って待っている一同に、会心の笑みと共に送る言葉は、


「メリークリスマス!」




Fin


 ちなつさん、フリリクありがとうございました!
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