スキップ・ビート!
□ロイヤル・クリスマス!
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さっさと歩き出した蓮についていきながら社は軽くため息をつく。
すぐそこに見えているレストランだ。日除けのためか、カラス張りになっている壁すべてにレースのカーテンが引かれていて中が見えないが、ここで間違いないだろう。
入り口に回ってみると『本日貸し切り』の札がある。
「社さん、ここでいいんですよね?」
「ああ」
「でも、貸し切りになってますよ?」
何かの手違いではないのかと首を傾げながらドアを押し開ける。
カランカランと軽やかなドアベルが鳴り渡り、それにかぶさるようにクラッカーが連発されて。
そして、
「「「メリークリスマス!!!」」」
綺麗に重なった何十人もの声が耳に届いた。
「……………………へ?」
「はははははは! 驚いたか、蓮!」
「社長……クリスマス会を開催されていたんじゃ……」
呆然と、それでも疑念を問う蓮にローリィは大仰に頷いてみせる。
「うむ! ロイヤル・クリスマス、ドッキリ大作戦! だ!」
「……ドッキリ?」
言われて見回してみれば、そこにはロケのスタッフや友人知人が着飾って居並んでいる。
さらには、遅刻してきたはずの共演女優までいる。
「じゃあ……」
遅刻は嘘で、ドッキリで、自分は引っ掛かったということなのか。
そう言われてみればカメラが回っていることに気付く。一部始終を撮られていたということらしい。