スキップ・ビート!
□enemy enemy enemy!!
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「親友の恋路を応援するのは、親友の役目だよね」
「余計な虫がつかないよう、見守ることもですね」
「虫かどうかを判断するのは、本人じゃないかな」
「第三者の意見を必要としているんですよ、彼女」
「それが必要なら、俺が喜んで助言させて貰うよ」
「ああ、そうですね。敦賀さん、第三者ですもの」
「……ああ言えばこう言う、って知ってるかい?」
「もちろんです。知ってます、てんてこ舞って?」
「な、何のことかな、その、てんてこ舞とやらは」
「何故かキョーコがその単語に吹き出すんですよ」
凄まじい笑顔に隠れた毒舌合戦、モー子に軍配が上がるかと思われたそのとき、スタッフとの話を終えたキョーコが駆け寄ってきた。
瞬時に二人から放たれていた冷たいプレッシャーが消える。
「モー子さん、聞いて聞いて〜。あのね、わたし」
側に来るなりモー子の腕に自分の腕を絡ませ、先ほどのことを耳打ちしようとするキョーコ。
「おや、俺には話してくれないのかな、お嬢さん?」
それをすかさず食い止める蓮。
モー子に話されてしまえば、「じゃあ一緒に買いに行きましょう」と決着がついてしまう!
「え、え? いえ別にそういうわけじゃ……ただ、ちょっと……恥ずかしいかなぁと……」
モジモジするキョーコにとろけそうな笑みを浮かべ、
「じゃあ向こうで聞こうかな、二人きりで」
と、連れ出そうとする。
このまま連れ出しに成功すれば、もう蓮の勝利だ。
色気と色気と色気と色気でなだめすかし口説き落として、約束を取り付けられる。
さり気ないボディタッチなどを織りまぜれば完璧だろう。
流れるようなエスコートでキョーコを連れて行こうとする蓮。引きはがされた上に、引き止める理由が思い付かないモー子。
敦賀蓮の逆転勝利か、そう思われた瞬間!