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□これもまた日常。
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「じゃあ行ってくる」

「はい、行ってらっしゃい蓮さん」

「ちゅー? まま、ぱぱと、ちゅー?」

「って! こらっ! 教育上よくないから、乳幼児の前でいちゃつくなって言っただろうが!」

「あら至希、おはよう」

「俺が来た途端にナチュラルになるなよッ」

「だって子供の前じゃあねぇ? 照れちゃうじゃない」

「真ん中に子供を挟んで抱き合いながら、今さら!?」

「至希、お前は高校生だろう」

「だから何だよ!?」

「刺激するのはよくないと思って気を使ってるんだぞ? お前も盛りだろうから」

「せめて年頃って言えよ生々しい!」

「しゃかり?」

「あら、まだ覚えちゃダメよ? 一歳には早いわよー」

「一生覚えないでいいっ!」

「あら、それなりの年齢から教育は必要だと思うわ」

「そういう知識の前に常識を覚えさせてやりたいんだよ兄として!」

「常識なら充分あるだろう、うちは」

「ない! 毎朝毎晩、玄関で両親がラブシーンを演じる家庭は、日本じゃ普通とは言わん!」

「いいじゃないか。敦賀家の常識で」

「それを常識だと思い込む前に世間一般常識!」

「大袈裟ねぇ至希は。ほら、あなたが赤ちゃんのときからこうだったけど、ちゃんと育ったじゃない」

「それに、まだキスの意味も分からないだろうからな。両親が愛情あふれてることを伝えるのも、教育に
大切なことなんだぞ」

「意味が分かる分からないの問題、」

「しきー、にーに、だっこー」

「え? あ、ああ……よい、しょっと」

「にーに、ちゅー」

「わっ!?」

「あらー。ことちゃんってばvv」

「にーに、ちゅー。しきにーに、しゅきー」

「…………背後から物凄い寒気を感じる」

「至希、……お前を愛していたよ」

「って、親父!? なぜ過去形なんだ!?」

「いくらお前でも……愛する我が子の唇を奪ったとあっては」

「待て! 俺も多分『アイスルワガコ』! しかも奪ってない!」

「悲しいが……覚悟できるな?」

「できるかぁぁぁぁ!!!!」


「あらあら、至希ってば、またことちゃん抱いたまま登校しちゃったわ」








終わり?

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