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□Love-pierce-Love
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某月某日。
「まいったな……どうしてこんなことになったんだ?」
LMEビル会議室にて、スタッフ一同が頭を抱えてため息をつく。
「前代未聞だぞ、まったく……」
「こうなったらもうどうしようもないですよ、監督。どっか代わりを探さないと」
「そうは言っても、条件に合うロケ地なんてそうそう見つからないぞ?」
「あそこを見つけるのも、ずいぶん苦労しましたもんね〜……」
「「「はぁぁぁぁぁ〜〜〜」」」
深い深いため息の後、誰も口を開かなくなってしまった会議室。
若干離れた席で居心地悪そうにしている社は、隣に座る蓮をちらりと見る。
彼もまたスタッフたちと似た表情で何かを考え込んでおり───やがて思い切ったように口を開いた。
「監督。ロケ地に心当たりがあります」
「っ! 敦賀くん!?」
「ただ、俺も写真でしか見たことがない場所なんで、はっきりとは……。写真で見る限り、イメージには合っていると思うんですが」
「どこ!? すぐに資料を取り寄せる!」
「そうだよ、今は出来ることはなんでもやってみよう!」
「ダメで元々、当たればラッキー!」
口々に言ってくるスタッフに、蓮がようやく硬かった表情をほころばせた。
「すみません……俺のせいで、こんなことになって」
「いやいやいやいや敦賀くんのせいじゃないって!」
「そうそう、気にすることないよ!」
「むしろ被害者側だから、敦賀くんは。……災難だよねぇ……」
道が見えてきたことに活気づいた会議室に、再び暗雲がたれ込める。
「いったい、どうして洩れたのかなぁ……スケジュール」