10/12の日記

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素直シンアス・記者会見
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「二人はどうしたんですか!?今日は二人の会見のはずですよね!?」
「慌てるなって。ちゃんと来るからさ。俺はあの二人の保護者みたいなもんだから、同席させてもらうぜ」
「PVの美女こそシンの真実の恋人だと、雑誌で語っていたH氏というのは、あなたですよね?」
「他に誰がいるんだよ」
「PVの美女の正体が、男のマネージャー、アスラン・ザラであることは、先日マネージャーの父親によって明かされましたね。つまり、シンは、同性愛者なんですね」
「っつーか、シンは、アスランが男でも女でも、好きになったと思うぜ」
「アスラン・ザラは伝説のマネージャーと呼ばれています。彼と共にいることでアーティストは輝きを増す。それはアーティストが彼に恋愛感情を持つがゆえのことでしょうか?彼は、過去にも、担当するアーティストと恋愛関係にあったのでは?」
「はあぁ!?想像力がたくましいのは、悪いことじゃないけどさ。アスランが担当するアーティストに、次々手を出してるみたいな言い方、しないでくれないか?あいつは、そんなやつじゃない。……あんた、どこの出版社の人?」
「……え……あの……」
「侮辱する発言をしたやつのインタビューは、今後受けるつもりはないから、そのつもりでいろよ。あいつらの敵は、俺の敵。権威をふりかざすのは好きじゃないが、俺の敵のインタビューには答えたくないと考えるアーティストは、ごまんといるぜ」

「ハイネ、それは、脅しです」
「アスラン……まだ、引っ込んでりゃいいのに。たっぷり釘をさしてから呼ぶつもりだったんだぜ」
「俺達は、大丈夫です」
「俺達、か。わかった、シン。お前達に、任せる」

「質問を、どうぞ」
「あなたは、PVの美女で、シンの恋人なんですね?」
「美女と呼ばれることには抵抗がありますが、PVに出演予定だった女性の代わりに、女装して出演したのは、俺です。そして、俺は、シンの…………」

「恋人です」
「シン……」
「恋人です。言うことを、ためらわないでください。俺が変な目で見られたら、なんて、考えないでください」
「すまない、シン。俺は、シンの、恋人です。PV出演後に、恋人になりました。……俺は、アーティストとしての、シンの、ファンでもあります。だから、アーティストとしてのシンの足を引っ張ることになってしまうなら、世間にバレた時は別れるべきだと」
「アスラン!」
「シン、最後まで聞いて。別れるべきだと、考えたこともあります。でも、別れることは、できません。シンと、離れたくありません」

「アスラン……。……俺は、アーティストとしての俺を好きだと思ってくれているファンの皆には、俺達のこと、認めてほしいと、思っています。俺は、アスランと出会う前から、歌が好きでした。でも、好きな歌をただ歌って、満足しているだけだった……。俺の歌を聴いて、受け止めてくれる人の大切さ、歌で何かを伝えられた時の喜びを、教えてくれたのは、アスランでした。初めてのライブで、アスランがすごくよかったって言って泣いてくれて……それから、俺は、ファンを、聴いてくれる皆のことを、意識して歌うようになりました。アーティストとしての自覚を持てたのは、アスランの、おかげなんです。この人なしでは、俺は、今の俺には、なれなかった。この人が、大切なんです。この人と恋人になれたことは、俺の、誇りです」

「よくぞ言ってくれた!シン君、立派だぞ!」
「「お父さん……!?」」

「美女を幸せにしろよ、シンーーー!」
「「誰……!?」」
「男でも好きだーー美女、いや、アスラーン!」
「だから、誰!?」
「あんたの、ファンでしょ。あんたのファンクラブ、美女の涙をぬぐい隊の隊員なんじゃないですか」
「シンアス万歳ーーー!」
「えっと、あの女性は?」
「シンアスサイトの管理人じゃ……。一般人は立ち入り禁止のはずなのに……」
「「「「「シンーーー私たちは、ずっとあなたのファンだよーーーー!!!」」」」」
「シンのファンの皆が……」
「どんどん人が押し寄せてきてますね」
「「「「「マスコミーーー!二人の邪魔をしたら、許さないからーーー!!!」」」」」

「ストーップ!危ないから、押さない!マスコミの皆さん、一般の人はこう言ってる。プロデューサーである俺も、同意見だ。祝福してやってくれよ。え?祝福するから、アスランのメガネを取った顔を、ぜひ撮らせてほしい?だってさ、アスラン」

「え……じゃあ……」
「ダメです!ダメダメダメ!取っちゃダメ!」
「シン、さっきのお前、かっこよかったのに、急に駄々っ子になるなよ」
「ハイネ、俺とアスランの間に、割って入らないでください。駄々っ子でいいです!とにかく、ダメ!」

「シン、俺は、写真を撮られて、さらし者になったって、平気だ。取るよ」
「ぎゃーーー!アスラン!……取らないでって言ったのにーーーー!取……っちゃい……ました……ね……」


「「「「「「「「「「す…………っっっっっごい、美形……生で見ると、PVより……さらに……」」」」」」」」」」


「え?」
「あんた、自覚なさすぎ。だから、バレたくなかったんですよ。うわぁ、めちゃくちゃ撮られてる。言っておきますけど、この人、俺のですから!俺の、ですからねーーーーー!」
「シン、ちょっと……そんな、大声で……」
「アスラン・ザラは、俺の、恋人だーーーーーーー!!!」
「シンっ!」

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