08/28の日記

22:31
素直シンアス・ファンサイト
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「シン、なにをしてるんだ?」
「ハイネから送られてきたメールに載ってた、サイトを見てるんです」
「……【美女の涙をぬぐい隊】……?」
「PVの謎の美女、あんたのファンサイトです」
「俺の?」

「……BBSでは、熱いやりとりが繰り広げられてますよ。熱いっていうか、暑苦しいっていうか、【俺の唇で、涙をぬぐいたい】とか書いてるヤツは焼け焦げちまえっていうか」
「……シン?さらっと物騒なこと言わなかったか?」
「なぜ、芸能界での成功を約束されているのに、美女はあれから表舞台に現れないのか?っていうテーマでの推測なんかも載ってますよ。芸能界に興味がない。実は妊娠していて今はスタイルが崩れているから出られない。ハリウッドデビューのため海外に行っている。……美女は実はシンの恋人で、シンが美女を人目にさらすまいと妨害している」
「え……」

「最後のやつ、ちゃんと読みましょうか?【PVの中でシンが見せた表情は、演技とは思えない。また、美女の表情、あの自然な涙からは、愛情を感じる。二人は恋人同士なのではないか。だとすると、シンが美女を独占したいと考え、これ以上人目にさらすまいと妨害していると考えられる。美女はシンの指示に従っているのだろう。芸能界での成功よりも、美女が恋人を取ったのだとすると、恋人一途な美女への、我々ファンの愛は増すというものだ。シンの恋人、という観点から美女を探し出したいが、あいにく今、シンの周りに女の影はない。外食の際は、必ず男のマネージャーが同席しているらしい。美女は遠方に住んでいて、二人は遠距離恋愛をしているのではないか、というのが、今最も有力な説だ。】だそうですよ」

「……部分的に、当たってるな」
「あんたと外食してるのは、見られてるみたいですね。美女と結びつけられてはいないようです。外では眼鏡は必須ですよ!」
「この前、ハイネに、コンタクトにしたらどうだ?って言われたんだけど」
「はあぁっ!?ハイネ……俺への嫌がらせかよ。正体がバレた方が面白いとか思ってるんじゃ……。ダメですからね!絶対、あんたには、眼鏡が必要なんです!」

「……あの……シン……思いきって、きいてみたいことがあるんだが、いいか?」
「どうぞ」

「シンって、眼鏡フェチなのか?」

「…………は?」

「……眼鏡フェチだったら、俺以外の眼鏡かけてる人のことも気に入っちゃうのかな。それは、嫌だな」
「俺はあんたが好きなんであって、眼鏡が好きなわけじゃありません!!!」
「っ!!」
「……あ〜。大声で恥ずかしいこと言っちゃったじゃないですか。どうしてくれるんですか、もう……。なんで眼鏡フェチだって思うんですか」
「ハイネが、あいつ絶対そうだぜ、って」
「またあの人ですか。あの人は、敵なのか、味方なのか……」

「変なこときいて、悪かった。……ちょっとパソコン貸してくれるか?」
「いいですよ。なにするんですか?」
「シンの公式ファンサイトはよく見るけど、非公式なのはどんなのがあるのか検索してみようかなって。……?【ここは、ハイネ×シン、創作サイトです】?【BLに興味のない方は、お引き取りください】?」
「なんですか、それ?」
「小説があるぞ。読んでみるか。……!?」
「ぎゃああ!なんで俺が、ハイネにキスされなくちゃいけないんですか!?」

「……×っていう表記はこういう意味なのか。こんな目で見ているファンがいるんだな……。相手がハイネだなんて、嫌だな。あ、シンサーチっていうのがある。シン×ハイネ、ハイネ×シン、リバ、……シン×アスラン(マネージャー)?」
「えっ、あんたの名前あるんですか!?」

「見てみるか。【ここは、我らがアイドル、シンは攻め!伝説のマネージャーと呼ばれているアスランは、眼鏡でよくわからないけどきっと美形で受け!と信じている管理人が運営する、シンアス小説サイトです。】だって」
「うわ、あんたが美形だと思ってるファンいるんですか!やばっ!」
「一番気になる点は、そこなのか……。恋人同士な俺達の小説を書いてるみたいだぞ。こういうサイトをきっかけに、恋人同士じゃないかっていう噂が広がることはあるのかな。だとするとまずいな。スキャンダルは、シンのためによくない」
「俺は、あんたとの関係、バレても、構いませんよ」
「同性愛を差別する人だっているんだ。ファンが減るかもしれない」
「大丈夫です。……歌でファンの心をつなぎとめることが、俺にできないと思いますか?」
「……できるな、シンなら、きっと……」

「ね、だから、大丈夫です。小説、読んでみますか?」
「え、うん。うわっ!」
「うわ〜〜〜すごいですね」
「……シン、ちょっと、この手は、なんだ」
「書いてること、まねしようかな〜なんて」
「やっ!待って!俺、仕事、思い出した!」
「俺、今日、オフですよ。あんたもでしょう?」
「シンがオフでも、マネージャーの俺には、やらなきゃいけないことがあるんだ!じゃ、じゃあ、俺はこれで……!」


「……逃げられた。あ〜あ……照れてるだけだってわかってますけど、傷つきますよ、アスラン。……しかし、これ、本当にすごいな。……参考にさせてもらおう」

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