07/31の日記

22:05
素直シンアス・恋愛ドラマはお断り
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「はぁ……」
「ため息つくな、アスラン!」
「ハイネ……」
「どうせまた、シンがらみなんだろう?ケンカしたのかぁ?」
「ケンカじゃありません。……シンに……ハイネにも、謝らないといけないことがあるんです」

「俺にも?お前、何やらかしたわけ?」
「ドラマの話、シンが嫌がってたって、俺、あなたに言いましたけど……あれ、嘘なんです。シンには、伝えてないんです」
「ああ、あれね。そうか。ふーん」
「ふーんって……それだけですか?」
「どうせシンには断られると思ってたし、一応話が来てるってお前に伝えただけだから。で、なんで勝手に断るんですか?って、シンに怒られると思って落ち込んでるのか?」
「はい」
「お前が断った理由をちゃんと言えば、シンはむしろ、喜ぶと思うぜ?」
「そう……でしょうか……」
「自分でこうだって決めつけるのは、お前の悪い癖だ。しっかり言葉にして、伝えて、相手の気持ち、ちゃんと聞き出さないとダメ!わかったか?」
「はい……」

「ん?なんだ?そんな、じっと見て。シンが見たら嫉妬するぞ」
「ハイネみたいな、父が欲しかったと思って。俺の父、無口で俺に無関心だから」
「おいおい、アスラン、せめて兄と言ってくれよ……」
「すみません。シンと、話してきます」
「頑張れよ」


「シン、話があるんだ」
「なんですか?」
「お前に来たドラマの話、俺、勝手に断った」
「ありがとうございます」
「ありがとう?」
「俺、演技とかできないし、歌以外興味ありませんから」
「お前自身をモデルにした、ドラマの話だったんだ。実話というわけじゃなくて、恋愛をからめていくけど、歌手として成功していく話で、特別な演技は必要ないって……。ゴールデンタイムで、視聴率の女王って呼ばれる有名女性脚本家からの依頼だった。マネージャーとして、俺は、本来なら、お前に出るように、すすめるべきだったと思う。でも、俺は、マネージャーとしてじゃなく、断ってしまった……」
「なんで?」

「……ス……が……」
「え?」
「キスシーンが!あるって言うから!」
「は?」
「シンが他の人とするなんて、俺、嫌だから……」
「だから、断ったんですか?」
「うん……え?ちょっ、シン、苦しい……」
「ああ、つい、力が入りすぎて、すみません……。そんな、なんで抱きしめられてるのかわからないって顔、しないでくださいよ。嬉しいんです」
「嬉しい……?」
「嫉妬されて、喜ばないはずないでしょう。俺、あんた以外とは、しませんよ、絶対に」
「シン……」
「キスするの、好きですけど、それは、あんたが相手だからだし」
「シ……」


「あ、悪いな〜!」
「「うぎゃっ!ハイネ!」」
「うぎゃって、お前ら、そんな人を化け物みたいに……。キスする寸前に邪魔して悪いな。アスランに言い忘れたことがあってさ。あのドラマのヒロイン、ぜひあのPVの美女にって話だったから、どうせ断るしかなかったんだよ。さすがに女装でドラマは無理だろ〜?いや〜大人気だな、アスラン。PVの美女のファンクラブも、密かに結成されてるらしいぜ」
「「ファンクラブ?」」
「正体バレないように気をつけろよ」

「なんで、ファンクラブなんて……」
「あんた、絶対に、正体バレないようにしてくださいね!」
「う、うん……」
「ぜっっったいに、ですよ!」
「うん……」

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