捧げ物小説 2

□甘い毒
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 休日、シンは大学の先輩であるアスランと、スーパーで買い物をしていた。
 アスランは、買い物かごに、アイスを入れた。
「この寒い時季に、アイスですか?」
「うん。お風呂の中で食べるから、寒くないよ」
「お風呂で、ですか?」
「そう。変かな。お風呂で冷たいもの食べるのって、けっこういいよ。試してみる?俺の家で」
 俺の家で、という言葉に、シンの顔が赤くなる。

「一緒にお風呂に入ろう、とは言ってないよ」
 アスランは、意地の悪い笑みを浮かべた。
「そっ、そうですよね」
 シンは、うわずった声を出した。

「嘘。言った。そういう意味で。入ろうな、後で」
 がっかりしているシンを見て、くすくすと、笑うアスラン。

「一緒に入ったことあるのに、いちいち動揺するなんて、シンは、かわいいな」
 自分をからかって遊んでいるアスランが、憎らしいけど、やっぱり愛しくて、シンは苦笑した。

 スーパーを出て、並んで歩く。
 家まであと少しというところで、雨が降りだした。
 傘は持っていない。
 走ったが、雨は激しく、びしょ濡れになってしまった。
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