捧げ物小説 2
□似てるから?
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エプロンをつけて、お弁当を作っていると、シンに後ろから抱きつかれた。
俺は抱きつかれたまま、弁当箱におかずをつめていく。
「あ、ハンバーグだ」
「シン、好きだよね」
「はい。アスランさんの方が好きですけど」
「なに言ってるんだか。はい、できたよ」
さらっと言われた言葉に内心、どきっとしつつ、平静を装って、俺はお弁当を渡した。
できあがったお弁当を手に、シンは先に家を出る。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
シンの顔が、すっと、近づく。俺は目を閉じた。
玄関でキス。
それから、外に出て、シンを見送る。
シンの姿が見えなくなってから、家に入った。
幸せで、足元がふわふわする。頭の中が、春。
シンのこと、好きすぎて、やばい。大学の講義にも身が入らない。大学に行く前に、色ボケした思考をなんとかしたい。
シンは俺といない間も、俺のこと考えてくれてるのかなぁとか、もっともっとキスしたいなぁとか、そんなことばかり考えてちゃダメだ!
俺は、家の中を掃除した。一心不乱に掃除機をかける。
シンの部屋は、普段、掃除しない。自分の部屋の掃除くらいは自分でしますよ、とシンが言うから。
でも、シンのことだから、大雑把な掃除しかしてないかもしれない。俺はシンの部屋に入った。隅々まで、しっかり掃除する。
ベッドの下も、ちゃんと。
ん?
ベッドの下に、なにかあった。手に取ってみる。
DVDだ。タイトルは……………『バーチャルエッチ・いけない家庭教師』……?
世界が暗転した。
これは、いわゆるエロDVD。
シンは、こんなものを、ベッドの下に隠してたのか。
こっそりこれ、見てたのか?