小ネタ
□雑記小話集2
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2月5日の雑記より。
シンアス小話
*朝*
窓から朝日が差し込む自分の部屋。見慣れているはずなのに、いつもと違って見える。透明な空気が、温かな色に染め上げられているよう。心地よくて、でも、どこか、くすぐったい。
この人が、そばにいるから。
シンはそっと、手をのばし、アスランの髪に触れた。
夢、じゃ、ない。
昨夜、この人と……。
「ん……っ」
シンは手を引っこめた。
アスランが、ゆっくりと目を開ける。
「シン……」
「ええと、おはよう、ございます」
「ん〜……」
アスランは、シンの手を握った。少し寝ぼけているのか、常にはない甘えた表情で、手に頬を寄せる。
「あああ、アスランさん……」
「シン〜」
「はい」
「シン〜」
「はい」
「シン〜」
「はい。って、何回、呼ぶんですか」
「シン、が、いる……」
「はい、いますよ」
「……嬉しい…………」
ふにゃっと、子供のようにアスランは微笑む。
夜の、アスランの妖艶な姿にも胸が高鳴ったシンだが、こういう表情にも、弱い。
「シン〜」
「はい。俺はここにいますよ、アスランさん」
「シ……」
アスランは、再び眠ってしまった。
寝起き、悪いのかな、この人。
今まで、知らなかった。新たな発見が、嬉しい。
頬をつついてみるが、アスランは起きない。
シンは寄り添って、愛しい寝顔を眺めた。
END