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□雨
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「たくっ、雨の中走るなんて何考えてんだ」
堂上は絞ったタオルを郁の額に音がするように乱暴に置いた。
「痛っ!うぅ…ごめんなさい…」
郁の側には39度と画面に出てる体温計がある。
さすがの郁もベットで静かに寝ている。
堂上は体温計を再度確かめ、郁に呆れながら軽く怒鳴った。
「雨の中コンビニから走って帰ってくる奴があるか!」
「走ればなんとかなるかと…」
郁の声はだんだん小さくなっていく。
堂上はため息をつき、郁の頭を優しくなでる。
「…雨が降ってたら車で迎えに行ってやる。だからもっと俺を頼れ」
「…はい。ごめんなさい。」
撫でられていて安心するのか、郁の瞼が閉じていく。
その時、郁は小さく呟いた。
「でも、こうゆう風に篤さんに甘えられるのもいいかも…」
郁が笑いながら言う。
だが、その瞬間キスが降ってきた。
深いキスだった。
「…ハァ…ちょっと!!」
郁は息を切らしながら言った。
「お前が可愛い過ぎだからだ」
真顔でそう言われ、郁の熱は一気に上がった。
堂上は小さく笑う。
「寝るまで頭撫でてやるから早く寝ろ」
堂上が優しく言うと、郁は恥ずかしくて頷いて布団の中に潜り込んだ。
郁は頭を撫でられながら夢の中へ入っていった。
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