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□小さな幸せ
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結婚生活3日目の朝。
只今の時刻、8:15。

2日間ドタバタしていた為、遅い起床となった。

「ん…もう朝か」


郁は伸びをしながら体を起こした。
隣を見ると細く目を開けた堂上と目が合った。

「おはよう、篤さん」

「ん…おはよ」


そう言葉を交わして郁は洗面所へ向かった。

顔を洗い、歯磨きをしようとした郁がおもわず笑みをこぼした。


「なんか……幸せだな…」

「何が?」


郁は驚き後ろを振り向く。

「篤さん!起きたの?!」

「あぁ。若干まだ眠いが…」


郁は恥ずかしいのか、下を向いてしまう。
そんな郁に堂上はあくびをしながら質問を投げかけた。

「で?何が幸せなんだ?」

「笑わないでね!」


郁はゆっくり口を動かす。

「……大した事じゃないんだけど、歯ブラシが2本立ってる事。」


郁は赤くなりながら言う。

「本当に結婚したんだなぁ、って実感して…」


郁は言い終わった後ゆっくり顔上げて堂上の顔を見た。


「フッ」


堂上が小さく吹き出した。

「あー。馬鹿にしたでしょ!」


郁は頬を膨らまし、堂上に背を向けた。
すると堂上は後ろから郁を優しく抱きしめた。

「悪い悪い。郁があまりにも可愛い事言うから」


郁は振り向き、2人は顔を見合わせた。


そして優しいキスを交わした。





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