このまま2人溶け合ってしまえばいいのに、 情事中、スクアーロ隊長と私の熱気がこもった部屋。乱れたベットの上。スクアーロ隊長に抱かれながら私はそんなことを想う。 「考え事かぁ?随分余裕じゃねぇかぁ!」 『あっ…!そ、んなこと…んぁっ…も、だめっ』 「はっ、…もう限界かぁ?」 『んっ……あっ、あぁ!』 「っ、…くっ!」 でもやっぱり2人が溶け合うことなんてなくて、2人繋がっていたのも数分。2人果て、事が終わるともうスクアーロ隊長は私から離れていってしまう。心も、身体も…。いや、違う…心なんて最初から繋がってはいないのだから、 『はぁ、はぁ…っ、』 「……………」 苦しそうに息をする私を尻目に隊長はさっさと身支度を整える。いつものこと。…そのいつも、はいつからだったか…もう忘れてしまった。私たちが"恋人"という関係なのなら私も覚えていただろう。でも、違う。私たちは所詮ただの………ただの、何?わからない。愛人?上司と部下?…わからない。 ああ、だめだめ!こんなことをぐだぐだと考え込んでいては。はやく呼吸を整えないと… 貴方が部屋を出ていく姿を見たくないから私はいつも眠ったふりをするの。本当はちゃんと眠りにつきたいのだけれど眠れない、…だから目を閉じた私の耳にはパタン、という寂しい扉の音だけが響く。 ああ、ほら今日もまた… 浅い呼吸を繰り返しながら、 (私はまた、)(嘘の眠りにつく) 耳につくのは愛しい人の残していく置き去りの音、 本当は、貴方に抱きしめてもらって、一緒に眠りたいのに |