バラードのロマンス
□歪んだ愛のカタチ
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鬼 道 有 人 。
元総帥のお気に入り
いや、今でも総帥のお気に入り。
総帥は自分を裏切った鬼道有人をまるで我が子のように愛していた。
いや……我が子、というには行きすぎた愛情表現もあったが…
その鬼道有人がまだ、帝国にいたころ。
『俺たちの新しいサッカー』なんて熱い青春ドラマのようなことをいってた頃だ。
そのサッカーを…あっさりと下してやった。
元々僕はあいつが嫌いらしかった。
総帥のもとを自ら離れたくせに、総帥のなかには常に彼がいる。
神である僕ですら、総帥の中では君に重ねられる
僕と君の赤い瞳に。
「アフロディ!」
「鬼道有人。ずいぶん怖い顔をしているじゃない。」
怪我をした帝国のメンバーは病院に搬送された。
鬼道有人もそれに付き添っていたらしい。
なんとなく足を向けた病院の裏ではちあわせてしまった。
「何故お前がここにいる。」
「気まぐれ、さ…それと君に会いたかったというのもあるな…」
は?と鬼道が声をあげた。
その顔は驚きと戸惑いを隠せない様子だった。
なんとも滑稽…