裁きの翼

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「・・・・コムイ室長、イノセンスは存在しなかった」








電話越しに淡々と告げるその声は、相変わらず抑揚もなく静かだった。























光を放つ魔の石。





その噂を求めて訪れたカイだが、その当ては完全に外れ、する事もなくなったからとコムイへと報告する。












『違ったかぁ・・・







うーん、だったらカイ君、次の任務を頼んでもいいかい?』




「あぁ」






新たに言われた事に、にべも無くカイは頷く。














『ドイツに行って欲しい。そこに人が消えていく町があるらしいんだ。イノセンスである可能性があるかもしれないから調べてくれ』





「了解した」





頷き、さっさと切ろうとするカイについで告げられた言葉に、一瞬目を見開く。










『もう一人エクソシストが行っているから現地で合流してね』









「・・・・・一人ではないのか?」





一人での任務の方が楽なのだが。
そう言うカイの眉間には皺が寄っていた。




カイの今の表情が予想できたのだろう、苦笑しながらもコムイは無情の言葉を告げる。









『うん』








「・・・・・・分かった」





とてつもなく長い沈黙の後、ため息と同時にそう吐き出すと、早々に電話を切り、カイは言われた通りの地へと向かった。












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