永遠の翼
□永遠の翼.9
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「ここで騒ぎを起こせばまた奴らに追われることになります
今は我慢です」
「・・・ああ
・・・そうだな」
白の言葉に再不斬は静かに頷いた。
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コンコン
「・・・・誰でしょうか?」
彼等のアジトに訪れる人間など数が限られている。
その最たる者であるガトーは先程来たばかりだ。再び来るはずがない。
第一、彼等が戸を叩くなどの礼儀は絶対しないだろう。
そこでふと気付く。
――――ガトー達以外に此処を訪れる人間などいない筈だと。
里を抜けた自分達に仲間はいない。いるならば敵だけ。
けれど敵ならば戸を叩く事はしない。そんな事をする暇なく攻撃を仕掛けるはずだ。
思い当たる節が見付からず訝り、警戒しながら白は、入り口の戸を開けた。
―――――もちろんすぐに戦闘態勢になれる様、武器を隠し持って、だ。
「初めまして」
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