タレ文BL小説
□恋するドルチェ
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お菓子のような甘い恋がしたい!
そう思っていても現実は難しいもの。
ましてはあの堅物が相手だし。
だけど僕は普通の男子で、恋仲同士なんだからたまには甘くなりたい訳で。
あの堅物をその気にさせるには、一体どうしたらいいんだろう?
+ 恋するドルチェ +
「不二……頭でも痛いのか?」
僕の悩みの種、手塚国光が僕のおでこを触りそう言い放つ。
君が僕をそうさせてるんだけどっ!
そう言いたいがあえて我慢。
「なんともないんだけど……?」
そう言って自分のおでこに添えられた手に、自分の手を重ねる。
すると手塚は怪訝そうな顔をして慌てて手を離し、書きかけの日誌に目をやった。
いつもこうだな……。
僕が引っ付こうとすると、手塚は少し距離を置く。
何度チャレンジしても手塚は決まって怪訝そうな顔をする。
もしかして……触られるのが嫌いだとか?
それならなぜ?
なぜ……僕だったの?
二人だけしか居ない部室。
薄暗い中でも判る、真っ赤な顔をした手塚。
帰ろうとしたのに掴まれた手が、ひどく熱さを感じさせる。
「好きなんだ……」
その一言に一瞬、心臓が止まった。
それと同時に速くなる鼓動。
夢にまでみたシチュエーション。
「……良ければ……その……付き合って……」
「……うん」
途切れ途切れに言う手塚の言葉に、僕はふたつ返事でしか答える事が出来なかった。