タレ文BL小説

□空想殺人
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重なる唇に合わせ、僕は隠し持っていたサバイバルナイフを越前の心臓目掛け突き立てる。
ズズッと肉を裂いて入っていく感触と、それと同時に溢れ出す欲望。
目の前に居る越前は、何をされているのか判らない様子で僕を見ている。
強引に口付けを交わし、持っているナイフをさらに奥まで沈めて、根元まで入ったのを確認すると、それを左へひねって抉った。
「不二……せ……」
越前の最後の言葉。
動かなくなった越前の身体を引き剥がし、持っているナイフへと目を向ける。
漆黒のクリップに銀に輝く本体。付着している色鮮やかな真紅の雫。
溢れ出たそれは、僕を同じように真紅へと染めていく。
笑みが零れる。
目の前で転がる越前。
狂ったように笑っている僕。


そこで目が覚めた。
衝動的に手を見る。
血が付いてない事に安堵すると、それと同時に脱力感が襲ってくる。

また……人を殺した夢……。

寝汗で濡れたパジャマを触り、頭の中でそう呟く。
もう毎日……そんな夢を見ていた。


どれ位……血を流せば……僕は……殺人者に……。

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