鳳宍小説
□無力ほど辛いものなどない
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するとその物音を聞いて宍戸の母が2階へ上がってくる。
宍戸が倒れている。
鳳が床に手をついて方を上下させている。
跡部がすごい剣幕で宍戸を見下ろしている。
我が子の倒れている、その状況を見て平然としている母親がいると思うか。
宍戸の母は息子に近づき激しく揺さぶって意識を確認している。
その状況で跡部は母をなだめるように
「大丈夫です。宍戸は気を失ってるだけです」
と言う。
母はそれに安堵したのか泣き出してしまった。
「ごめんなさいッ……本当ッに…ごめん、なさぃ……」
「いえ。すいませんが宍戸が起きるまで、俺たちはここいます。どうか3人にしてください」
宍戸の母はよろしくとだけ言って下に行ってしまった。
寸分おかずに下に行ってしまったのは
これ以上宍戸の弱った顔を見たくないのかもしれない。