鳳宍小説

□不登校にはならないで?
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「それでね、日吉。聞いてる……?」


「聞いてる。聞いてる」



鳳と日吉はいつも通り弁当を貪りながら昼食の時間を取っている。

本当なら屋上で宍戸と一緒に食べるのが日課なのだが
宍戸が学校を休んでいる間日吉と一緒に食べることにしたのだ。


日吉はいつも通り鳳が話す、『宍戸さん』のことをうわの空で時々相槌を入れながら聞かされていた。



「それでその時宍戸さんがね……」



日吉が

(____まだ話すのか……)

と、思って話題をこっそり変えようとした瞬間
教室のドアが開き、跡部が中に入ってきた。

ものすごい剣幕だ。


(_____怒られる……)


鳳は内心びくびくしながら自分の方へ迫ってくる跡部を見ていた。


そして鳳の前へ立つと、
「生徒会室にこい」
とだけ言い放ち帰って行った。


「……?」


頭の上に?マークが浮かぶ。


鳳を呼び出すのに放送を使わず跡部が2年教室に来ることはめったにない。
そのため、クラスの女子が熱い視線を送っていた。

しかし、鳳は跡部の剣幕に負け、とてもそういう雰囲気ではなかった。








なにか、いやな予感がする……








(_____宍戸さんのことじゃなかったらいいけど…)


無意識に宍戸のことを心配し
いや、跡部の様子と宍戸が休んでいる事からするとそう考えるのが普通なのかもしれない。


なんて言ったって宍戸と跡部は幼馴染なのだから。



鳳は跡部に対して黒く渦巻く嫉妬のようなものを感じた。


しかしそれが嫉妬だとはまだ知る由もなかい。
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