鳳宍小説
□声を聴かせて
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宍戸はそっと鳳の服のボタンへ手をかけて不器用ながらもボタンをはずす。
シャツのボタンがすべて外し終わり胸元がさらけ出された。
宍戸は立場が反対になることはなかったので少し緊張していた。
鳳の均等についた筋肉が自分の腹筋よりたくましいことが少し気になったが
そうまじまじと見てても自分が恥ずかしくなるだけだと悟ったのかすぐ見目をそらし
自分から触れるだけのキスをしてやった。
3秒ほどのキスだったが宍戸からキスをすることはほとんどなかったので
鳳は新鮮な気持ちで至福の時を堪能していた。
しかし、宍戸の『触れるだけのキス』は鳳の中心部を強く刺激し下着の下は少し窮屈になっていた。
その後何回か宍戸のキスは続き、そのいじらしさに鳳の加虐心はどんどん煽られてていく。
とうとう理性の限界だ。
鳳は宍戸の頭を支えて深いキスをする。
舌を幾えにも重ねお互いの唾液を交換する。
「…っふ、ちょ…たろ…はっ……」
宍戸はとうとう息の限界に来たと思い鳳の胸板を強く叩く。
鳳はその様子に口を離し宍戸の顔を覗き込む。
「大丈夫ですか?」
鳳はなおもうすら笑いを続けていじらしそうに笑っている。
「大丈夫な訳ないだろッ!!……ハァ…ハァ…」
酸欠で倒れるかとおもったわッ!!と付け足して鳳の頭を思いっきり叩く。
なんていったってこんなに長いキスで少しも息が切れてないことが一番ムカツク。
しかしこんな必死な思いとは裏腹に鳳は今の宍戸のパンチで理性が少し戻ってきたことに安心している。
求めてといったものはいいが、すぐに理性が切れていつものように求めてしまってはなんともなくなってしまう。
「おい!もう何にもするなよ!今日は俺が男役だッ!!!」
「最後まで男役できればいいですね」
そう言ってはにかむものだから、もうこうなったらイジだ。
男のイジだ。今日は最後まで男役(攻め)をやると心に決めた宍戸だった。